有難い

何が有難いかと言うと、よくわからない水やら壺やらを勧めてくる友人がいないこと。慌てて「会おう」と言ってくる友人がいないこと。今から手術後のアポを取ろうとする友人がいないこと。

お守り

舌癌になったという日記を書いたらかなりの数の方々からリアクションをいただいた。なんだか皆さま申し訳ございません。語弊があると少し困るけれど、もし周りの誰かが死を迎えたら驚くし悲しむとは思うものの、自分の死に対してはさほど特別なものと思っていないというところがあり、それ以前にお医者様から現時点では初期の癌との印象だとのことをお伺いしていたため、さほど考えもせずフツーに日記に書いた次第。この週末に何人かの友人たちにお会いしたが、お会いできた方々はもしかするとあまりにもいつも通りな自分に驚いたかもしれない。現時点では痛みも無いし、精神的にもいつも通りなので。先日の日記に書いたか否かは忘れたが、自分は大丈夫でも、病気になるということは周りの皆に対して申し訳ないものだなと思った。
これからまた検査を受けて、それから日程を決めて手術と入院をすることになるのだと思う。自分は会社員では無いので抱えている案件をどうにかする必要がある。以前から念のために引き継ぎ用の資料を作ってはいたものの、こんなに早く使うことになるとは思わなかった。今日はひとつだけ仕事を引き継いでもらった。うまくできますように。そして今日は部下からお守りをいただいた。ホント、なんだか申し訳ありません。

癌のこと

少し前からいくつかの病院で検査をしていただいていたが、今日癌告知を受けた。舌癌。3つの病院を短期間に渡り歩いたのでそれぞれに印象深いできごとはあったものの、面倒なので割愛。現時点のことだけを言うと、まぁまずは舌癌ですと。来週またCTやらMRIやらPETやらを受けて、その結果を受けて治療方針を決めましょうと。治療方針とは言っても手術になるのだけれど、どうやら入院しないとならないみたい。先生は8月中にやってしまいたいと仰っていて、自分もそれには賛成なので、近いうちにやることにはなると思う。来週の結果が出なければ細かなことはわからないけれど、現時点での印象を伺うと「初期の癌。ステージで言うと1か2。」とのこと。自分もそのくらいだろうと思っていた。まぁ、死ぬことは無いだろうなと。
最初に癌の疑いを告げられたときには、頭の中に死がチラついた。チラつきはしたけれど、自分が死ぬことはまず無いだろうと思った。昔から自分には「いわれなき自信」というものがあり、今回もそれについて自信を持っていた。何歩か譲って死ぬことになったとしても、昔から自分なりの死生観を持っているもので、それに対して怖いとか嫌だとかいう思いは無かった。ただ、家族に申し訳無いなとは思った。「もし自分が死んだら葬式には誰が来てくれるかな?」なんてことを小学生の頃に考えていたけれど、本当に死の可能性が出てみるとそういったことはどうでも良くて、残された時間を家族と大切に過ごしたいということしか頭に浮かばなかった。都知事が誰になろうとどうでも良くて、ただ単に、明日は家族と一緒に何を食べようかなとか、今度の休みは家族であそこに行きたいな、なんてことを思った。真に人間が求めているものはモノやらお金やら名誉なんかでは無く「経験」なんだろうな。思い出ができるから。

とにかくまぁ、今回は全ての病院に恵まれた。最初に診断してくださった新宿の先生も素晴らしい方だったし、紹介状を書いていただいて受診をした事務所至近の大きな病院も素晴らしかったし、今日お会いした大学病院の先生も非常に親切で分かりやすくて信頼のおけそうな方だった。なにより全てのタイミングがとても良かったと思う。全てがとてもスムーズだった。

癌にはなったけれど、なんだか自分は恵まれているなぁと。これからもたくさんの場所を訪れて、たくさんの写真を撮ろうと思った。家族と共に。