入院8日目

胃瘻を作ることはだいぶ前から聞いていて、部分麻酔でできるしすぐに作れます的なことを言われていたので僕もそんな雰囲気で捉えていたんだけど、昨晩看護師さんがやってきて唐突に始めた説明によると、なんだよけっこう大変じゃねぇかよと思えて、なんでもっと早く説明してくれなかったのかなとイラッとした。確かに手術自体は30分くらいみたいだけど、その後3日間くらいは痛いみたいだし。その間はシャワーも無理だから前日はシャワーを浴びてくださいねってことをシャワーの時間が終わってから言われるというね。手術に行くにもベッドで移動してベッドで帰ってくると。でも放射線治療は続けないとならないので痛くてもなるべく受けましょうと。んもーーーー。

放射線治療なんだけど、僕の場合はよく効いている感じがするのよね。まだ6回だか7回しか受けて無いんだけど、もう味覚が変わってきてんのよ。みかんの缶詰を食べたら苦くてさ、食べられなかった。他のものも美味しくないし、そもそも食べ物の匂いを嗅ぐと気持ち悪くなるので食事はもう摂って無いの。味覚がもう変わっちゃったことを仲のいい看護師さんに伝えたら、時期的に早いと伝えられた。「やべぇよね?」と言うと「やべぇ」だって。思いやられるわ~。

入院3日目

昨日受けた抗がん剤の影響なのか、なぜか朝ご飯がおいしそうには見えず。少しだけ食べてあとは残してしまった。抗がん剤の副作用として「吐き気」というものがあるけれど、吐き気は特に感じない。単に「美味しくなさそうだな」と思えるだけ。これも副作用のひとつなんだろうか。

朝のリンパ浮腫はやはり酷い。日に日に酷くなっていることがよく分かる。昨日までは顔の底辺を横に伸ばしたスティーブン・セガールみたいな顔になっちゃったなと思ってたんだけど、今日は…なんだろう…朝潮関かな。朝潮だなんて、今の若者たちはわからないだろうな。で、ちょうど「朝潮みたいだな」と思っているところに主治医の先生が入ってきて、腫れを見てくれた。やはり朝の方がひどいですねと。ただ首に関してはさほど酷くなっているようには見えないと。なので呼吸は大丈夫そうですね、と言いながら去って行った。分かる。分かりやすい。先生は喉に穴をあけるべきか否かの判断をしたいんだなと。顔の腫れについてはさほど意識を向けていないんだなということが分かった。先生らしくていいと思う。
で、この僕のリンパ浮腫については看護師さんたちの話会いの中で議題として挙げられたらしく、結論としては、院内にリンパ浮腫に関する知識を持っている人間が数人いるらしく、その人物に安西さんを診ていただきたいということを主治医の先生に告げるということになったらしい。で、実際に先生が動いてくださり、予約を入れてくれたとのこと。まだいつになるかは分からないけれど、近いうちに受診できるみたいだ。これまで看護師さんたちと仲良くしていて良かったな。って、そこじゃ無いとは思うけど、まぁ良かったよ。一番気になっていた部分だったので。看護師さんたちありがとう。そしてそれを受け入れてくれた先生ありがとう。特に仲のいい看護師さんに聞いたところ、僕ほど顔が腫れる患者さんを見たことが無いんだって。よほどだろそりゃ。なので「いい研究材料になるね」と言っておいた。

で、今日も朝から放射線治療。朝は特に浮腫みが酷く、それはアチラさまも分かっていらっしゃるので、今日は首もと以外のパッチンを止めずに受けさせてくれた。それで本当に放射線を当てたいところに当てられるのかが心配だけど、そこはプロだからきちんとやってくれているものと思っている。実際、「そこに鼻をあてるといいみたい」なんて会話をしながらポジションを決めていてくれていたし。有難い。感謝。
放射線治療を受けた場所、所謂照射範囲にはアズノール軟膏という薬をぬるの。それにより照射範囲の悪化というか皮膚炎を抑えるんだけど、放射線治療を受ける前にはあまりベタベタしていない方がいいんだって。なのでシャワーを浴びてその軟膏を落とす必要があるのだ。なので今回も朝っぱらからシャワーを浴びて、それから体重計ったりご飯を食べたり検温したりといろいろとあるもんでバタバタしてな。大前提として「朝は浮腫みやすい」ってこともあったんで、放射線科とかけあって、明日からは午後からの照射にしてもらえることになった。助かります。

その後、リハビリ科に移動して、リハビリの方法の再確認をする。今までやってきている口を動かすリハビリが今後も役立つとのことで、なるべく朝昼晩の3回やってくださいねとのこと。これをやるだけで嚥下能力が高まるんだって。やらないとね。

午後からは嚥下の検査。リンパ浮腫により喉が狭まった感覚があり、それによりご飯の食べにくさや飲み物の飲みにくさだけでは無く、飲んだものが鼻に逆流してくるような感覚もあったので、そのあたりを診ていただこうという主旨のもの。で、やってみたら実際に僕が思っていた通りの結果が出た。これからは飲みものにもとろみを付けてから飲んでくださいねと。めんどくさ。でもね、これから放射線治療が続くことにより、今までよりももっと嚥下の能力は落ちますよと。その準備じゃ無いですけど、その前から訓練しておいた方がいいですよ、みたいなことを言われて「確かにな」とは思えた。怖いのが誤嚥性肺炎なんだって。気を付けないとね。

夜になって主治医の先生が来てくれた。食べたく無いものは無理して食べなくていいですよとのこと。必要なものは点滴に含まれているからいいんだって。今日は昼も夜もほとんど残していたからちょっと安心した。抗がん剤治療を始めた翌日から食べられなくなるだなんて早いなと。でもそれも看護師さんから言わせると、抗がん剤が原因の副作用であれば、少し経てばまだ元通りになると。放射線治療が原因の食べられなさとは違うものだそう。言われてみればそうかもな。

ってことで、今日の午後から2人部屋の相方がいなくなったもんで、今は実質個室なの。比較的部屋の中で自由にできるのよ。なので今日の日記を今日中に書いてみた。その方が読むほうも分かりやすいだろうしいいよね。

明日から

明日から5度目の入院。抗がん剤と放射線治療のための入院ということになっているけれど、ホントにその通りになんのかな?と勝手に疑問に思っている。首の右側のリンパにある癌と思わしきしこりはなかなかな大きさになっているし、何よりもリンパ浮腫がかなり悪化しているのが気にかかっている。これらを外科的手術でなんとかしないことには次へ進めないんじゃなかろうかと思えてな。栄養を摂らないとならないのに首がかなり締まっててさ、あらゆるものが飲み込みづらいのよ。飲み込みづらいだけならまだいいのかもしれないけれど、頑張って飲み込めたものがなかなかな確率で鼻の方に行ってしまう。むせるのなんて当たり前だし。「食べなきゃだめだよ」みたいなことを言われるんだけど、舌の半分以上を切っちゃったうえでコレ(リンパ浮腫)だから、なかなか難しいのだよ。午前中は顔と首の腫れが凄くてさ、ひょうたんみたいな顔だなと思ってるほどなんだけど、腫れが凄いとそのぶん首も締まるんだと思うのよ。だから午前中は特にいろいろなものが飲み込みづらい。それと原因は分からないんだけど、引っ切り無しに痰が出てくる。それが喉に溜まるから、仰向けで寝れないの。窒息しそうになるからな。横を向いて寝ればいいのかというとそうでも無くて、横を向いたとしても結局は時間差で痰が溜まってくるから窒息しそうになる。1時間に1度はそれが原因で起こされて、洗面所に行かざるを得なくなる。だから寝不足でな。本当に困ってる。上を向いても横を向いても寝れないんだから上半身を起こしたまま寝ればいいんじゃねと思ってソファーにクッションを敷き詰めてその中に埋もれるようにして寝てもみたんだけど、その体制だと重力の関係でそもそも首と腰が痛くなるからダメだった。人間たるものやっぱり身体を寝かさないと寝れないんだな。ってことで、ここ数週間が人生で一番辛い。それが明日からの入院で改善されればいいんだけど。

で、今日は我が子が通う保育園に、参観に行ってきた。コロナの影響なのかは知らないけれど、他の家族とはバッティングしないような日程が組まれていて、我が家は今日の午前中だったの。部屋の中で椅子に座って見るのかなと勝手に想像してたんだけど、外に出て、窓に貼られた模造紙みたいなものに不自然に開けられた複数の穴から覗き込むかたちで部屋にいる我が子を見るというシステムだった。クラスというものは要は小さな社会なわけで、まだ生まれて1年ちょいにも関わらずそんなところに身を置いている我が子の姿を見るのは初めてのことで、とても興味深い体験だった。他の子供との比較もできるし、我が家にいるときの我が子との比較もすることができる。しかしまぁ長いこと立ち続けたもんで、身体がな、辛かったわ。どれくらい辛かったのかというと、その後に行われた先生たちとの面談をキャンセルしたくらい辛かった。妻に任せて家で寝てた。例のごとく1時間だけな。

ってことで、頭は痛いし首は痛いしいきなりむせるし尾てい骨は痛いしリンパは痛いし寝れないしでひどい状態だけれども、まぁ、行ってくるよ。