どないやねん

1週間くらい前から喉が狭くなってきたように感じていた。飲み込みづらくなったような気がするし、飲み込んだものが鼻から逆流するようにもなってきた。頸部リンパ節郭清の創部が締まって来てて、そのせいで首全体が圧迫されてんのかなと思っていた。
で、水曜日。朝起きたら僕の顔が浮腫んでいた。浮腫んでいたというレベルの話に留めておいてよいのかよく分からんけども、とにかくは顔の半分がデカくなっていた。歯を抜いた側が腫れていたので抜歯の影響だと思い、担当してくれた顎歯科に電話をした。厳密に言えば大学病院の代表電話に電話をし、そこから顎歯科につないでもらった。「おさまっていた痛みや腫れが強くなった場合はご連絡ください。」って言われてたからな。顎歯科の受付に説明をし、「先生に伺いますので少々お待ちください。」と言われて保留音になり、しばらく待っていたら電話を切られた。いやまじで。顎歯科って前にも同じことがあったのよ。電話の使い方分かってんのか?思うようにしゃべれないなか、代表電話に電話をしてからそこまでつなげてもらうのがどれだけ面倒なことか。切ったのはそっちだからこっちからはもうかけないぞと思って放置していたんだけどいつまで経っても折り返しの電話は無かったからもういいやってことで我慢することにした。我慢しているうちになんだか腫れも収まってきたように思えたので「なんだ、やっぱりこれでよかったんじゃん。」と。
で、木曜日。朝起きたらまた顔が腫れていた。昨日よりも少し腫れが大きくなったような気がするし、顔だけじゃなく首も腫れているように見えた。顔は半分だけじゃなくて両方腫れてんな。こりゃー歯の影響じゃ無いかもなと思えてネットでいろいろ検索していたら、まさにこれじゃね?と思えるものが見つかったのよ。それがリンパ浮腫。手術でリンパを取っちゃうとリンパ液の流れる場所が無くなっちゃって浮腫んじゃうんだってよ。僕はステージ3のときに首の左側のリンパを取っちゃって、今回のステージ4で右側のリンパも取っちゃったから、リンパ液が流れる場所が無くなっちゃったんだね。だからそれが溜まって浮腫むんだろうなと。朝浮腫んでた顔が時間が経つにつれてだんだん元に戻っていくのも納得がいく。たぶん重力だよね。身体を起こすとリンパ液がどこかを通って下へ下へと下がっていくんだと思う。だから顔の浮腫みが多少は和らいでくるんだろうなと。
っつーことで今度は耳鼻科に電話をつないでもらって先生に確認をしてもらったら「診ますよ」とのことだったので、その日の最終の枠に診察を入れてもらった。で、行ってきた。そしたら病名こそ言われなかったけど、やっぱり僕が調べたとおりのものだった。内視鏡を入れて調べてもらったけど、飲み食いには今のところは影響は無いみたい。飲み込みづらいけど。で、「(術後にリンパ浮腫が)起きる人と起きない人がいて、安西さんには説明していなかった。ごめんなさい。」だって。「大丈夫です。」と返事した。なんか、膿んだりする場合があるって言ってたかな。忘れちゃったけど、もっとヤベぇ状態になる人もいるんだって。それが無いから先生的には大丈夫ってことなんだろうけど、ではこれは治るものなのかとか、そういう大切なことを一切聞き忘れて帰ってきた。治らないものだとしたら、これから一生こんな顔で生きていくことになるんだなと。結婚しておいてよかったよ。この顔だとモテないと思うもの。底辺を少し横に伸ばしたスティーブン・セガールみたいな顔になっちゃったよ。ハートだけで勝負するしか無くなっちゃうわ。

入院28日目

昨日首の穴を閉じたおかげだと思うけど、鼻をかむことやトイレでいきむことができるようになった。本当にそれが原因なのかは知らんけど、身体に一つ穴が空いているだけでこれだけ変わるのだから、五体満足を保つってのは大切なことだなと思えた。大袈裟な言い方かもしれないけれど。

昨日の日記で情報提供を呼びかけたことにより、何人かの方からご連絡をいただくことができた。みんな本当にありがとう。僕ら家族だけだと限界があるから本当に助かる。なかなか時間が無いからそれら全ての情報の精査ができているわけでは無いけれど、頑張って調べてみるつもり。そしてそれらの全てに足を運んでお話を伺えればと思ってるんだけど、なにせ先生の望む放射線+抗がん剤の治療までに時間が無いもので、限られた行動しかできなくなるだろうなとは薄々感じている。

先生から病理の結果を聞いてその後の治療に関する提案をいただいて、退院後の僕の計画は大きく変わることになった。本当なら食事と会話の不自由といかに付き合って行くかということや、働き方やら子育てやらを考えて実践して行こうと思ってたんだけど、まだまだ治療が続くというか、これ多分一生もろもろと付き合っていかないとならないんだなと思え、なんだかなぁと思っている。なんだかなぁと思っているからこそ、皆さんのお知恵を拝借できればと思い打診をさせていただいたわけで。
放射線治療や抗がん剤の治療を行なった人の話はこれまでにも聞いたことがあるんだけど、首から上への治療と首から下への治療とではわけが違うことを担当の先生から聞かされて、今後の生き方に関わってくる一大事なんだなと思えた。昨日も書いたけど、QOL、これが大きなキーワードだよなと思っている。首から下への治療であれば、きっと僕も放射線+抗がん剤を受け入れていると思うんだけどね。そこまでして生きたいのかとか、そこまでしても生きねばならぬのかとか、楽しく生きるために足枷を外そうかとか、足枷を外すことで新たな足枷がつけられちゃうんじゃないかとか、悩ましいよ、本当に。

さて、今日も朝日が出てきたよ。トホカミエミタメだよ。昇ってくれる太陽に感謝しつつ、今日も張り切って行こうかな。みんなも張り切って。張り切りすぎない程度にな。

入院27日目(術後病理検査結果とこれからのこと)

昨日の午前中に喉に開いた穴は塞がれた。麻酔をしたのちに二針縫ったんだけど、痛かった。縫い終わって病室に戻ったあたりから麻酔が効いてきた感じがあったから、縫うのがまだ数十分早かったんだと思う。でも穴が塞がれたことで通常の呼吸に戻ったんだろうね、鼻もかめるようになったし、昨夜はなかなかよく眠ることができた。「普通」の状態の有り難みよ。

で、11時からは予定通りに耳鼻科の担当医から術後の病理検査の結果の説明がされた。12日の手術で切り取った部位の病理検査の結果ってことね。僕は専門家では無いのでいまいち理解が浅いところもあるけど、切り取った舌に関しては大丈夫。大丈夫って言い方も本来は無くて、「癌かもしれない」と言われていた舌の真ん中の部分はやっぱり癌で、どうも再発したものではなく新たにできたものではなかろうかと。ただそこも含めて舌は切っちゃったから大丈夫ってこと。ただ首のリンパ節については、術前は「癌の疑い」というグレーなものが1箇所だけあるから切っちゃうぞということだったんだけど、実際に切って、切ったものを病理に出してみたら、癌が7個も見つかったと。7個も転移してたんだって。節外浸潤って言って、リンパ節の外に飛び出した癌も発見されたとのこと。これってどういうことかというと、目視では確認できなかった転移がリンパの外にも複数見つかったってことみたい。今はもう術後だから今がそうだということでは無いんだけど、このことからわかる術前のステージは4。厳密に言えばステージ4B(ⅣB)。ステージは4Cまでしか無いから、4Bってのはなかなかなものってことだろうね。4Cは「離れた場所への転移が認められる」ってことだから、その手前ってことみたい。それを聞いて、だから僕は今年の春あたりからおかしいなと思っているところを何度も指摘してきたのに今更これかよと少しだけ思えた。本当は大いに思ってるんだけど「少しだけ」と表現したのは、春の時点で先生からの説明を受けて納得したのは僕自身だし、気になったのであれば西洋医学とは異なった視点から診てくれるところを探すべきだったなと思えたから。「未病」の時点で指摘してくれるようなところ。それも今となってはどうにもならんからな。で、先生からは今後の治療として放射線+抗がん剤を勧められた。放射線+抗がん剤の治療をする場合には、また入院しての治療となる。66〜70グレイの放射線を33〜35回にわたって放射して、最大300mg/m2のシスプラチンを点滴で投与すると。70グレイって人間にやっていいMAXの量じゃなかったっけ?違ったっけ?シスプラチンの投与は100mg/m2を3週おきに投与する方法と40mg/m2を毎週投与する方法とがあって、後者の方が若干治療の成績が良いみたいだけど、どちらでもいいと。それと、治療の途中から身体がおかしくなって食べることができなくなる人が多いから、あらかじめ「胃ろう」を作っておくことが多いんだって。そこから直接胃に栄養を投与することになると。で、副作用としては口内炎、嚥下障害、味覚の低下、口の渇きが挙げられると。そのうち口の渇きについては後遺症として完全に残りますと。これ、言葉にすると簡単なんだけど、実際にはかなりキツイものらしい。放射線を口の中に当てることによって口の中が焼けるんだって。それによって唾液を分泌する線だか何だかが塞がれて唾液が出なくなるもんだから口が渇くと。それが一生続くのよ。その他の副作用も人によって出方は全く違うんだけど、治療中のそれは本当に大変らしい。後から複数の看護師さんたちに個別に聞いてみたけど、全員が全員厳しい見方をした。そのうちの1人の看護師さんはストレートに物を言ってくれる人でこれまでもそのストレートさに助けられてきたんだけど、医師は治療をしろと半ば強引に言ってくるけれど、よく考えて、拒否したいものは拒否してくださいと。今回は手術だったから日に日に回復するものだけど、放射線+抗がん剤はそういうものでは無いと。ずっと辛いと。ただでさえ今回の手術で呂律の低下と嚥下障害が起きてるんだから、それに加えて口の渇きのような後遺症が残ることがどんなことなのか。もちろん癌は取り切れるのかもしれないけれど、今後の生活を考えた場合のことも考えてみてもいいのかもしれないとのことだった。それには僕も大いに賛成で、そこまで辛い思いをしてというか、今後辛い思いをしながら生きていくのってどうなのかなとは思える。QOLっていうのかな?生活の質を大きく下げてまで生きていくべきなのか、ちょっと僕にはわからない。とは言うものの、僕には守るべき家族がいるわけで、性格的にも例えば「お前が植物人間になればお前の家族だけは助けてやる。ワハハハハ!」みたいなことを言われれば進んで植物人間になるような人間だと思っているので、QOL云々ではなく、迷うことなく放射線+抗がん剤の治療を受けるべきだろうなとも思える。両極端なんだけど。両極端なんだけど、どちらも正しいと思えるし、どちらを選ぶべきなのかが全くわからない。そもそもこの治療法以外にどんなものがあるのかもわからないし、とはいえセカンドオピニオンとは言っても同じ「医師」にお願いするものなのだからさほど大きな違いは無いだろうなと思える。セカンドオピニオンをお願いするのであれば西洋医学とは全く違うアプローチをしてくれるところにお願いをしたいと思ってるんだけど、どこにお願いすればいいのかもわからない。知らないんだもん。今後の治療の一切を拒否して、例えば酵素風呂に通うとか食事を気をつけるとか所謂民間療法に切り替えるということもやぶさかでは無いとも思えるんだけど、でもそうしてしまうとどこかで後悔することにもなるかもしれないなと思え、本当にどうしていいのかが分からない。おじさん困ってる。だからせめてどんな選択肢があるのかくらいは知っておきたいなと思えて今調べてるんだけど、それにも限界があるからさ、ご存知の方がいらっしゃればぜひ教えていただきたい。それをやるかは断言できないけれど、選択肢の一つとしてありがたく頂戴するから。

昨日の説明には妻も同席してくれた。先生からの話がキツいものになった場合、妻1人だと帰り道で落ち込んでしまいそうだなと思えたので、申し訳ないんだけど義理のお母さんにも一緒に来てもらって病院の1階で待っててもらった。妻と義理のお母さんがくるということはもちろん我が子も一緒に来たってことなんだけど。久しぶりに会う我が子はどうも僕のことが分かっていないように見えた。1ヶ月も会ってないんだから仕方ないよな。単に眠いだけだったのかもしれないけど。それでも抱っこをすると僕の肩にほっぺたを乗せて身体を預けていたので、なんとなく思い出したのかもしれないなとも思えた。この子を、そして家族のためにどんな選択をすべきなのか。これから答えって出るんだろうか。先生からは「一度退院して、次の診察日あたりまでに決めてくれればいいですよ。」と言われてるんだけど、果たしてそれまでに結論なんて出るんだろうか。いや、出せるんだろうか。全く分からん。