入院3日目

昨日受けた抗がん剤の影響なのか、なぜか朝ご飯がおいしそうには見えず。少しだけ食べてあとは残してしまった。抗がん剤の副作用として「吐き気」というものがあるけれど、吐き気は特に感じない。単に「美味しくなさそうだな」と思えるだけ。これも副作用のひとつなんだろうか。

朝のリンパ浮腫はやはり酷い。日に日に酷くなっていることがよく分かる。昨日までは顔の底辺を横に伸ばしたスティーブン・セガールみたいな顔になっちゃったなと思ってたんだけど、今日は…なんだろう…朝潮関かな。朝潮だなんて、今の若者たちはわからないだろうな。で、ちょうど「朝潮みたいだな」と思っているところに主治医の先生が入ってきて、腫れを見てくれた。やはり朝の方がひどいですねと。ただ首に関してはさほど酷くなっているようには見えないと。なので呼吸は大丈夫そうですね、と言いながら去って行った。分かる。分かりやすい。先生は喉に穴をあけるべきか否かの判断をしたいんだなと。顔の腫れについてはさほど意識を向けていないんだなということが分かった。先生らしくていいと思う。
で、この僕のリンパ浮腫については看護師さんたちの話会いの中で議題として挙げられたらしく、結論としては、院内にリンパ浮腫に関する知識を持っている人間が数人いるらしく、その人物に安西さんを診ていただきたいということを主治医の先生に告げるということになったらしい。で、実際に先生が動いてくださり、予約を入れてくれたとのこと。まだいつになるかは分からないけれど、近いうちに受診できるみたいだ。これまで看護師さんたちと仲良くしていて良かったな。って、そこじゃ無いとは思うけど、まぁ良かったよ。一番気になっていた部分だったので。看護師さんたちありがとう。そしてそれを受け入れてくれた先生ありがとう。特に仲のいい看護師さんに聞いたところ、僕ほど顔が腫れる患者さんを見たことが無いんだって。よほどだろそりゃ。なので「いい研究材料になるね」と言っておいた。

で、今日も朝から放射線治療。朝は特に浮腫みが酷く、それはアチラさまも分かっていらっしゃるので、今日は首もと以外のパッチンを止めずに受けさせてくれた。それで本当に放射線を当てたいところに当てられるのかが心配だけど、そこはプロだからきちんとやってくれているものと思っている。実際、「そこに鼻をあてるといいみたい」なんて会話をしながらポジションを決めていてくれていたし。有難い。感謝。
放射線治療を受けた場所、所謂照射範囲にはアズノール軟膏という薬をぬるの。それにより照射範囲の悪化というか皮膚炎を抑えるんだけど、放射線治療を受ける前にはあまりベタベタしていない方がいいんだって。なのでシャワーを浴びてその軟膏を落とす必要があるのだ。なので今回も朝っぱらからシャワーを浴びて、それから体重計ったりご飯を食べたり検温したりといろいろとあるもんでバタバタしてな。大前提として「朝は浮腫みやすい」ってこともあったんで、放射線科とかけあって、明日からは午後からの照射にしてもらえることになった。助かります。

その後、リハビリ科に移動して、リハビリの方法の再確認をする。今までやってきている口を動かすリハビリが今後も役立つとのことで、なるべく朝昼晩の3回やってくださいねとのこと。これをやるだけで嚥下能力が高まるんだって。やらないとね。

午後からは嚥下の検査。リンパ浮腫により喉が狭まった感覚があり、それによりご飯の食べにくさや飲み物の飲みにくさだけでは無く、飲んだものが鼻に逆流してくるような感覚もあったので、そのあたりを診ていただこうという主旨のもの。で、やってみたら実際に僕が思っていた通りの結果が出た。これからは飲みものにもとろみを付けてから飲んでくださいねと。めんどくさ。でもね、これから放射線治療が続くことにより、今までよりももっと嚥下の能力は落ちますよと。その準備じゃ無いですけど、その前から訓練しておいた方がいいですよ、みたいなことを言われて「確かにな」とは思えた。怖いのが誤嚥性肺炎なんだって。気を付けないとね。

夜になって主治医の先生が来てくれた。食べたく無いものは無理して食べなくていいですよとのこと。必要なものは点滴に含まれているからいいんだって。今日は昼も夜もほとんど残していたからちょっと安心した。抗がん剤治療を始めた翌日から食べられなくなるだなんて早いなと。でもそれも看護師さんから言わせると、抗がん剤が原因の副作用であれば、少し経てばまだ元通りになると。放射線治療が原因の食べられなさとは違うものだそう。言われてみればそうかもな。

ってことで、今日の午後から2人部屋の相方がいなくなったもんで、今は実質個室なの。比較的部屋の中で自由にできるのよ。なので今日の日記を今日中に書いてみた。その方が読むほうも分かりやすいだろうしいいよね。

入院2日目

昨日から生食、つまりは生理食塩液の投与を続けているせいか、トイレが近い。夜中も1時間に1度の割合でトイレに行く。トイレに行くたびにその時刻と尿の量を紙コップを使って記録する必要があるので、なかなかに手間がかかる。そして抗がん剤治療が始まってからは、使った紙コップはビニール袋に入れたうえで専用のゴミ箱に捨て、トイレは2度流す必要がある。それを聞くだけでも抗がん剤ってのはなかなかなものなんだろうなぁと思える。

午前中には2度目の放射線治療が行われた。浮腫んだ顔と首が心配だったけれど、今日はお尻の下に敷く柔らかい座布団を持参したし、顔のあたりを少し緩めてくれたというか、顔のまわりのパッチンを寝台に止めずにおいてくれたので、幾分楽だった。そのまま治療をおこなうことで分かったのは、顔が腫れていることによるその周囲への圧迫感と、首の腫れを圧迫することで発生する喉の締め付けが辛さの原因だったんだろうなということ。喉を絞められると呼吸できなくなるからね。なので治療終了後にそのことを技師さんたちにお伝えして、今日の放射線治療は終了。

そして午後からは予定より53分遅れで抗がん剤治療の開始。ただ点滴を落としていくだけなので「治療してます」感は皆無。でもこの抗がん剤と放射線とを合わせることの相乗効果で痛みが強くなったり食べられなくなったりすることもあるようなので、我慢せずに伝えるようにしてくださいと言われる。そう言われると、やっぱりなかなかなアレなんだな、この液体は、と思えてくる。抗がん剤は2時間で投与完了。それからはそれを体内から流し切ってやるぞと言うかのように、生食を1Lと、マンニットールという利尿剤を入れる。このマンニットールってものには圧力を調整する役割もあるみたいなので、リンパ浮腫にも良いらしい。知らんけど。で、夕飯は普通に全部食べることができた。抗がん剤の影響はまだ受けていないっぽい。

明日は嚥下の検査をすることになった。リンパ浮腫により飲み込みがしづらくなっているので、そのあたりを診ていただくことに。

入院初日

タクシーで病院に到着。病室は希望通りに2人部屋に入ることができた。
主治医の先生は他の病院に行っているとのことでお会いすることはできなかったけれど、そのお付きの若い先生がいたので、リンパ浮腫への対応について確認してみるも、的を得た回答は得られなかった。外科的処置をすることなくここまま進むのかな?
明日から始まる予定の抗がん剤治療の準備として、入院後すぐに生食の点滴が始まる。腎臓を保護する目的だったかな?忘れちゃったけど。これを1リットル点滴して、その後生理食塩水を500mL入れる。点滴の針はその若い先生が入れたんだけど、驚くほどに上手だった。看護師さんの方が上手なものだと思っていた。僕は血管が細いんだけど一発だったし、入れた後も全く痛くなかった。見直したわ。
で、そのあとやってきた看護師さんに「今日は他に何かすることあるの?」と聞いてみたら「特には無いです」とのことだったのでそのつもりでいたんだけど、あとから「14時に放射線科に呼ばれたので行ってきてください。」と言われ、なんだろう、今後の治療に関する説明でもあんのかなと思って鼻くそほじくりながら地下3階にある放射線科に向かったら、第一回目の放射線治療をされたわよ。なんだよ、やることあんじゃんか。しかもさ、顔を固定するマスクというか型というか名前忘れちゃったけどだいたい想像つくであろうそういうものを取ったのがリンパ浮腫が出る前だからさ、顔と首が浮腫んでる今ではもう形が合わないのよ。それなのにそれを使って治療台に固定しないとならないもんで無理があるだろというか無理な話でな、どう説明しようにも「無理」しか出てこないもんでこのまま無理で通すけども、とにかくはまぁ、この病院に通い始めてから一番酷だったわ。これまでの体重よりも15kgも痩せたもんで、お尻と背中の肉が落ちてて台に寝ると痛いわさ、この状態で「動かないでください」ってのもやっぱり無理な話なのだよ。機械が動き始めてからもあまりの無理さに一度止めてもらった。だって無理なんだもん。それでも我慢しないと終わらないなと思ったのでおじさんかなり頑張ってなんとか一度目の放射線治療を終えた。治療を終えてから放射線科の看護師さんとのお話タイムがあったので、正直に「今日の感じだとこれからも続けることは厳しいと思う。」と言っておいた。明日には何らかの対策をしてくれるとありがたいな。申し訳無い話なんだけども。僕ももちろん考えるから。
なんか、癌のことはリンパ浮腫が出たことでそっちの方がヤベえと思うようになって、放射線治療についてもいろいろ痛くて無理ってことの方が辛くて、意識はもうそっちに行っちゃってる。リンパ浮腫さえなければもっと不安に思うべきところを不安に感じられたのになと。準備ができたというか。
部屋に帰ると、看護師さんから「今日はあとはCTとレントゲンに行って来てください。CTは準備ができ次第連絡が来るのでそれを待つ必要がありますが、レントゲンはいつでもいいです。」と言われたので、「ではCTに呼ばれたらレントゲンも一緒に行ってきます。」と伝えると「あー」とか「うー」とか言いだしたのでなんか故障でもしちゃったのかと思ったら、「先にレントゲンに行ってきてください。」と言いだした。なんだよもうめんどくせぇなぁ。CTもレントゲンも同じ場所じゃねぇかよ。ってことで、先にレントゲンに行ってきた。僕の素直さがそうさせた。部屋に戻ってからなかなかすぐにCTに呼ばれたからそれも行ってきたわ。造影剤を使わずにお腹の撮影をするってことだったので「なにごとか?」と思ったんだけど(いつもと違うから)、部屋に戻ってしばらくしてからやってきた若い先生が言うには「今後の胃瘻の準備のためにCTに行ってもらいました。説明が後になりましたが。」とのことだった。もうそんな準備もするんだな。
で、夕飯である嚥下食5を食べて、歯を磨こうかなと思って準備を終えたところで若い先生が入ってきて、主治医の先生が来たから来てくれと言われた。行ったら今後の抗がん剤治療の説明をされた。で、その前にリンパ浮腫をと思って聞いてみたら「かなり腫れましたねぇ…」と。腫れないように、前回の手術の際にはきちんと静脈を残してあるにも関わらず腫れている理由が分からないと。明日の抗がん剤治療時に使用するステロイドの点滴には浮腫みを抑える機能も含まれているので、今夜からひとあしはやくそれを使ってみて様子をみましょうということになった。賛成。で、もし効かなかった場合には、今後呼吸が苦しくなることも予想され、その場合にはまた首を切開することになりますと。なので一時期声が出せなくなりますと言われた。念のために筆談器を持ってきてるから大丈夫。

ってことで、今日は放射線治療の第二回目と、抗がん剤の初回。どうなることやら。行けば分かるさ、ありがとう。